下書き〜線整理の間をお見せするのは、本人的に尻の穴見せるのと同じくらい恥ずかしいので割愛。
最初に枠線を引いて、文字を12pxで打ち込み、余白に収まるように絵を描きます。

とりあえず仕上がり線をRGB値#000000の黒で引いて、各パーツのベースカラーを置きました。
色は「逆マスク」でいつでも好きな色に変えられるので、深く考えずに置いて行きます。

絵板に投稿する漫画では執拗に1px線にこだわりますが、雑記漫画でこれは丁寧な方。

本当は自分の絵柄には、もっと薄くてフワフワした色の方が合うと思う……のですが、001を描いた時はまさか続けることになるとは思ってなかったから仕方がない。
今更色を変えるというのもおかしな話なので、背景#FFFFFFの主線#000000で突っ走ってやんよ。

普段は最後に持ってくるんですが、今回は何故か最初に入れてしまったハイライト。

単純に色の明度を上下させるだけだと、綺麗な影や光にはなってくれません。
ベースカラーから色相環・彩度を矢印のようにずらして、ハイライトの色を作ります。

色相環をずらすのは、錯視によって影や光が別の色に見えてしまうのを防ぐため。
左の例で言えば、ハイライトの色が矢印とは逆方向・ピンク寄りの色に見えるのを防止するため、黄色寄りの朱色を用いています。

彼の髪のハイライトが、案外暗い色で塗られていることが、カラーピッカーの左下を見て頂けば分かると思います。

影の部分も同様に、ハイライトとは逆方向にカラーピッカーを動かして色を拾います。
ここではベースカラーが彩度MAXのド赤なので、色相をピンク寄りに、明度を黒寄りに引きずるだけです。

ルーチンワーク的に、服の影の色を作ってザカザカ。
光源がどっちだか分かんなくなっちゃってますが、右から! 右から!と意識して塗ったらかえって嘘くさくなってしまったので、気にしないことにします。

とはいえ一枚ごとに丁度いい影の色を探すのは面倒なので、こちらが樽の剣士・固定パレット(鎧は別売)。
アルケミストの濃色に負けないよう、公式絵よりもかなり激し目の色になっていることが分かります。

細かい部分をドット打ちで補正しました。
本来は一枚目の画像の時点で済ませておくべき作業ですが、それだと気力が続かないのである時点で妥協し、色塗り中に気になる部分を随時補正、という手順を踏んでいます。
線画の段階ではどうしても気になったガタ付きが、色を付けてみたら案外目立たなかった、なんてこともままあるので。

他の人物も同じ手順で仕上げ、細かい部分を色々と補正。
必要であればこれに背景が付きますが、基本は真っ白ということで。
ただでさえ文字がゴチャゴチャしているので、これ以上描き込んでたら画面が煩くて仕方ないです。

以上、現実逃避終わり!
ドット打ちで補正できない黒ケミアンソロの原稿作業に戻ります……ど、どのくらい綺麗に仕上げればいいんだ……!

補足:

←何の変哲もない色相環です。これをグレースケール化すると、

こうなります。

色相環上をぐるっと一巡りしても、数値の上での「明るさ」は変わりません。
が、人間の目には←このように「明るい」「暗い」部分があるように見えるのです。
「明るい色」に対して「暗い色」寄りの色を使うと、明度が同じ色だったとしても影っぽく見え、かつ暗くなりません。

経験や勘、観察眼によって影の色を選ぶ人の方が大半だと思うのですが、こうやって理詰めで色を決めてる人も居るよ!ということでひとつ。
家族が持っていた色彩検定の本を片手に学び取った色の小技なので、誰でも簡単に真似できると思います。
影やハイライトの色に迷いましたらどうぞ、まぁ乗算レイヤに薄紫で影付けておけば大体は間違いないんだけどな!

色陰現象についてももう少し。

単純に明度を下げるだけだと、地の色に対して、影の色が補色の方向に引きずられる錯視現象が起きます。
この現象は、陰の色を本来の色以上に「暗い色」っぽく見せてしまうというもの。
そこで錯視が起きないよう、影の色の色相を錯視方向とは逆向きに動かしてやり、色が必要以上に暗く見えないようにしてやる必要があるのです。

でも、センスある人は何も考えないで塗っちゃった方が手っ取り早いと思うYO!

更に補足。

何の変哲もない色相環です。これを再びグレースケール化すると、

こうなります。

つまり灰色に近く(彩度が低い・画像左側寄り)明度が高い色ほど淡く、色が濃く(彩度が高い・画像右側寄り)明度が低い色ほど濃く見えます。

この法則に従って、彩度が低く淡い色を下地に、影はそれよりも彩度が高く暗い色を乗せるとそれらしいような気がしなくもないです。
上記の「色陰現象」と組み合わせることで一層それっぽい色に塗ることが出来るので、適度な「色のずらし加減」をご自分で探してみて下さい。



■戻る■